最後の練習

ラソン大会に出ることを決めたのは、1ヶ月前だった。


Oracleに働いてる知り合いが居る。
年齢的には自分の親ぐらいの年齢なんだけど、
すっごく若く見えるし、笑顔で、人間的に出来た人で、
良い意味で加○鷹にも少し似てるっていうと怒られるかもしれないんだけど、
それだけ相手を思いやることができる男性。
トライアスロンなどにも出ているし、
ラソンは前からやっている人。
若々しく見えるのは、スポーツをしているからかもしれない。
100人が100人、年齢を聞いて驚く。どう少なく見積もっても10才は若く見える人だ。


以前に会った時も、その前も、走ることを勧められていた。
もちろん経験があれば走ってみても良かったんだけど、
体育の授業でも1500メーターしか走ったことないし、
迷惑をかけるだけだと、断っていた。
で、今回は、他の知り合いで、元陸上部で、昔はクラスでは一番だった人も
誘われてて、その人自身も出ようかどうか迷っていた。
働いていた場所や、最寄り駅が同じため、何度か話をしたりして、
勧められ、やはり一度は自分の力を試してみることに。


何だか「大会に向けて運動」っていうのがすごく久しぶりだったので、
青春時代に亡くした物、
失われた自分の欠片を拾い集めるかのように彷徨っていた。
やると決めたからには、「絶対にリタイアはしない。絶対に諦めない。」って事を
自分にだけには何度も言い聞かせた。
他の人には、自信無いとか、リタイアしそうとか、無理無理とか、言ってたけど、
言うたびに、自分の決意が固まった。


ラソン大会前日に練習が出来ないので、
今日が最後の練習日。
といっても、、、それまでの練習が、
「歩いたり」、「チャリ乗ってたり」だけの時もあったけどw


この練習の間は、
昔行ってた塾や、普段、自転車や電車、バスや車で
向かう場所まで、自分の足だけで行ったりする事で、
今まで目に入らなかった発見ができた。
モニュメント、お店や、お寺、公園、木々、花、
そして人々。
それらを詳しく言えば、
駅名の由来になった事や、その地方ならではの歴史に関わる人たちの事、
昔に行って気になっていたお店や、気になっていたけど行っていなかったお店、
意外に綺麗な公園の木々や、その花など。
人々で言えば、大久保近辺は韓国人などの外国人が非常に多く、
治安が悪いことなど、やはり地域によって治安が違うことなど
実際に見てれば、すぐ分かる。


運動の後にはプロテインを溶かして飲んでいたけれど、
それとは別に、ご飯を食べたりもした。
痩せたいわけではないので、
食事は夜遅く以外はあまり遠慮はしなかったが、
体重は2キロほど減った。


自分の行った小学校、
自分の行った中学校
と行っていたのだが、
今日は最後だったので、高校に行くことにした。


バスと自転車で通っていた高校に、
自分の足だけで行ったのは、これが初めてだった。
ようやく着いた時、
感動して、ついつい開いている入り口から入ってしまった。
グラウンドを走っていると、
道路を走っているよりも、体が軽くなった。
高校時代は、このグラウンドでの1500メートルを走る時、
歯を食いしばりながら、苦しくて苦しくてたまらない顔をして
走っていたことを思い出すと、信じられない。
精一杯グラウンドの空気を吸えるように、
精一杯あの頃の空気を吸うように、
グラウンドを一番大きな円を描けるように走った。


走った。


走り回った。


コンクリートとは大違いの、土のグラウンドが、
楽しい。
短距離だったら、砂が無い方が早く走れると思うのだが、
長距離には、土のクッション性が良い。
夜の学校で、走る人たち。
変質者と言われて捕まってしまうかもしれないが、
楽しくてしょうがなく、
全然苦しくなかった。
夜の小学校も中学校も、怖かった。
オーラが淀んでいて、危険な香りが一杯だった。
高校は、その当時ですら、雰囲気で選んだように、
優しいオーラをしていた。
いじめの少ない学校だったからだろうか。
追い風を受けて、楽に走れた。
今まで、歩いたり、自転車に乗ってたりしてた事が多かったけど、
最後に最高の練習をできたと思った。



最後に、自分の部室を見に行った。
部室がなくなってたら悲しすぎるが、
部室は健在で安心。
さて、写真撮って帰ろうと思ったら。


フラッシュを焚くと浮き上がる、ドアの落書き。
何て書いてあるんだ??


携帯のライト機能で照らすと、、。
誰だー!! この「じごくの入り口」って書いた奴は!!、、。orz
爽やかな練習の雰囲気が 一気に台無しにw
一緒に居る人 脅えるww
脅えも脅え、脅えまくり。w
早く出ようよとビビリまくってました。w
写真を撮った後、ウェットティッシュで拭き消しました。
まったくもう。^^;